はるか昔、活発な火山活動で吹き出したマグマによって、別府湾いったいに温泉が生まれました。
「地獄めぐり」の地獄とは、その熱湯や高温な泥などが、まるで仏教の経典に描かれた地獄絵に似ていたことから、地獄と呼ばれるようになったそうです。
別府の地獄めぐりには、それぞれに特色や形態の異なった7つの地獄があり、まるで地獄のワンダーランドという印象です。
~7つの地獄めぐり~
1.海地獄
約1200年前の鶴見岳の噴火によってできた、別府温泉で最大規模の地獄。温泉の色は、涼しげなコバルトブルーですが、湯の温度はなんと98℃もあります。
2.鬼石坊主地獄
海地獄の近くにある地獄で、灰色のボコボコとした泥がふくらむようすが、坊主の頭のように見えることから、こう名付けられました。
3.かまど地獄
氏神「竈門八幡宮」のお祭りに、御供飯を噴気で炊いて奉じたことから名付けられました。
地獄は1から6丁目まであり、海地獄に似た色の熱湯や……
坊主地獄のような熱泥……
血の池地獄のような熱湯など……
バラエティー豊かな地獄が集結しています。そして、かまどのモニュメントが可愛らしくてユニークです。
4.鬼山地獄
別名「ワニ地獄」。大正12年に温泉の熱を利用して、ワニの飼育が始まりました。
クロコダイルやアリゲーターなどの世界のワニが池に多数います。
5.白池地獄
美しい青い色の地獄。噴出時は、透明の熱湯ですが、時間が経ち温度と圧力が下がることで自然に青白く変化します。
また園内では、温泉熱を利用してめずらしいピラルクや、熱帯魚が飼育されている熱帯魚館があります。
6.血の池地獄
広大な池で、真っ赤な粘土が煮えたぎる光景は、まるで血の池地獄そのもの。
この地獄は、日本で一番古い天然の地獄だそうです。
園内には足湯や、ユニークな鬼のテーブルと椅子……
そして、鬼のパンツを履いた(描かれた)、面白い自動販売機があります。
また、血の池地獄の売店では、赤い粘土で皮膚病に効く”血の池軟膏”が販売されています。
袋を開けると、容器に入った真っ赤な軟膏が入っています。
7.龍巻地獄
別府市指定天然記念物の「間欠泉」。
安全のため石の屋根が取り付けられていますが、この屋根がないと大地の圧力で熱湯と噴気が50mまで上がるといわれています。
また、世界の間欠泉のなかでも、休止時間が短いそうです。
別府観光では観光スポットとして名高い自然の驚異でできた地獄「地獄めぐり」。別府の地獄めぐりでは、スタンプラリーや地獄めぐりチケットというものもあり(指定された地獄のみ有効)、大人から子供まで1日楽しめる観光スポットです。